<本日のスープ〜株式投資をめぐる三重奏〜>の33皿目は
”投資を楽しむ♪”のまろさんです。
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rennyさんの31皿目、m@さんの32皿目では、中小企業やベンチャー企業への育成・支援を目的とした投資の形について語られた。私は様々な中小企業や個人事業者とお付き合いさせていただいた中で、こんな印象を持っている。
- 本物の「いい会社」はお金に困らない
- 中小企業の成長を妨げるのは社員の質
社長や事業に魅力があれば、お客さんが営業部隊のようになって商品・サービスを勝手に広めてくれる。また銀行も我先にと融資に乗り出してきて、調子に乗って必要以上に借り入れしないことが大切だし、舞い込んでくる投資話に資金源が怪しくないかどうか見極めるのが大変、というのが私の実感。
小さな企業の成長を妨げるものは、資金よりも社員の質だと思う。
企業の規模が少しずつ大きくなり、従業員が増える中で、創業者の想いを共有し、その実現のためにイキイキ働いてくれる社員の割合も減ってしまいがち。おそらくこの割合が一定量を超えたところで、会社の成長にブレーキがかかるのだ。
細かく分析した訳ではないけど経験上、社員の質低下による壁が年間売上10億円あたりでやってくるような印象を持っている。また学術的な分析を引用すれば、イギリスの人類学者ロビン・ダンバーは、人間が維持できる意味ある社会的関係の数は150前後だという。取引先や従業員含め、社長のネットワーク数が限界に達したところが、最初の壁なのかもしれない。
以上は上場にはほど遠い小さな企業の話だけど、「社員候補の人材」よりも「投資の資金」の方が目ざとく「いい会社」を見つけてくる、という構図は東証一部上場以外の企業まであまり変わらない気がする。
だからこそ、知る人ぞ知る企業へ投資する運用会社は、投資先の企業の魅力を語って欲しい。それがどこかでつながって、成長の原動力となる社員の入社につながるかもしれないから。
運用会社は企業と投資家の間の「お金」を仲介するだけではなく、企業と社会の間の「情報」はもちろん「人」や「心」をつなぐ役割もあると認識して欲しい。(それぐらいじゃないと運用会社にも高い志を持った人材は集まらない)