2015.11.12 Thursday
吊られた男の投資ブログ (インデックス投資) : 低信託報酬なアクティブファンドは出てこないのか
「アクティブファンドはコストが高いんだよなあ」
ポートフォリオは徹頭徹尾、頭の先から爪先までインデックスファンド、ETFという方はこんなことを常々、感じられているのかもしれません。
では、そんなあなたにお尋ねします。
次のようなファンドがあります。
まずは目論見書です。クリックで拡大してください。
運用成績はこんな感じです。(クリックで拡大します)
ポートフォリオの状況です。
この他に上場REITを4銘柄組み入れています。
月次レポートからの抜粋です。クリックで拡大してください。
【運用状況】については例月、だいたいこのくらいのボリュームだとします。
長くなりましたが、
上記のファンドの信託報酬が
仮に、年0.5%、いや、0.3%程度だったとしたら・・・・
「アクティブファンドはコストが高いんだよなあ」というアナタ、
このファンドへの投資を検討しますか?
このファンドの決算書です。
このファンドから投信会社、販売会社、受託会社の3社で
年間56.5億円
を受け取っています。
10,000口当たり費用です。
上記のポートフォリオの管理、運用状況の報告というサービスに対して、実際にこのファンドを保有している受益者が支払っているということになります。
仮に、万が一、大幅に保有コストを引き下げる(投信会社側が自らの取り分を減らす、身銭を切る)として、「アクティブファンドはコストが高いんだよなあ」という投資家の皆さんの投資対象ユニバースになってくるのでしょうか。
仮に大手証券等の金融機関系の投信会社が信託報酬が0.4-0.5%程度のアクティブファンドを設定して、本気で関心をお持ちになるでしょうか。↑で挙げたファンドのように年50億円を超えるような報酬を受け取っているのに、提供できるのは上記のようなサービスなのです。これが純資産がスッカスカで40-50bpsしか報酬が発生しないファンドにどれだけ丁寧なサービスを提供してくれるのでしょうか。
ボク自身のポートフォリオでいくつかアクティブファンドを保有しているので、その保有コストが逓減されるのは大変好ましいことですし歓迎します。しかし、それによりファンドマネジャーに届けてもらいたいと期待していることの質が落ちるのは困ります。(個人の感想です)
ほとんどの国内のアクティブファンドの深刻な問題は「コスト」ではない、とボクは考えています。
今週は以上です。
(出典)
https://www.fidelity.co.jp/static/fund-document/217001/prospectus/pro/JPG_PRO_0815.pdf
https://www.fidelity.co.jp/static/fund-document/217001/report/annual/JPG_1214.pdf
https://www.fidelity.co.jp/static/fund-document/217001/report/monthly/JPG_M_1015.pdf
(参考データ)
http://www.morningstar.co.jp/FundData/SnapShot.do?fnc=1998040101
https://www.matonavi.jp/fund/F000000MY4?
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/detail/?ID=JP90C00035B0
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