<本日のスープ〜株式投資をめぐる三重奏〜>です。
51皿目を担当するのは ”投資を楽しむ♪”のまろさんです。
48、49皿目ではrennyさん、m@さんが投資家として「カセギ」と「ツトメ」をどう両立していくかを語ってくれた。
お二人のコラムを読んでいて、投資家にとって大切なのは「富と幸福の間をどう生きるか?」について、自分なりの基準や美学を持っているかどうかなんだろうなと。
自分の中にたしかな価値観がなければ、幸福が所有できるモノのような概念に囚われて、お金を払えばもっと大きな幸福が手に入れられると勘違いしてしまう。投資は富と密接に関わるものだから、知らず知らずのうちに欲に流されて本質が見えなくなってしまうんだよね。
「常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。」
「足ることを知る者は富めり。」
無欲であれば万物の本質(妙)に迫ることができるが、欲があればその表面上の形(徼)に触れることしかできない。つまり無欲こそが世界の本質に迫る方法であり、真の豊かさとは足るを知ることであると老子は説いた。古代から延々と続く「分かっちゃいるけど…」の命題とひとつと言えるかな。
でも、お金から離れて別の視点で見ると、案外簡単な話だったりする。
実はこのシリーズの最初の頃にも紹介したのだけど、
「おいしい♪」と出会うための3つの心得。
- 一番大切なのは、おいしい食べものがあることに気付くこと。
- 味そのもの以上に、おいしさを共有できる人の存在が重要。
- 美食とは、心が込められた料理をいただくことで、心を豊かにすること。
私たちが美味しいと感じる時の幸福感は、味覚だけが決めるものではない。五感ぜんぶとまではいかないものの、様々な感覚が働いて幸せを感じるのだと思う
投資リターンにのみにしか目が行かないうちは、味覚だけが投資のすべてだと思っているか、食事をカロリー摂取の作業としか考えていないのと同じことと言える。
また美味しいものに出会えた幸せは、一人楽しむものではなく、共有することでより大きなものになる。これはrennyさんとm@さんが文中でも触れているとおり。
「株式投資を通じて、少しでも良い方向に何かを動かそうとすること。そんな考え方を共有できる人たちとの関係性を広げること、深めること。」(rennyさん・49皿目)
「資本力から考えて自分は旦那さんにはなれないものの、そうした心意気は持ってプチ旦那さんとしてお金を使いたいと思いました。」(m@さん・50皿目)
最後に、美食とは、料理人はもちろん食材の生産者など様々な人の「心」が込められた料理をいただくことで、自分の心を豊かにすること。これを投資に置き換えるなら、「いい会社」に投資、応援することで得られた投資リターンこそが、投資家の人生を真に豊かなものにしてくれる!
こんな調子で投資に資産形成以上の価値を探し続ける努力をしていきたい。
これまでの50皿です。
<1皿目>
「本日のスープ(仮)」はじまるよ!
「投資をめぐる三重奏(仮)」はじまるよ!
「マットーネ :mattone(仮)」はじまるよ!
<2皿目>
「本日のスープ〜株式投資をめぐる三重奏〜」でいかがですか?
<3皿目>
おいしさ=味×心/本日のスープ3皿目
<4皿目>
株を持つという事は自分が関係者になること/本日のスープ4皿目
<5皿目>
「株式投資」:「安く買って高く売る」こと?それだけ? /本日のスープ5皿目
<6皿目>
投資と資産運用の素因数分解/本日のスープ6皿目
<7皿目>
株式投資はじめてものがたり/本日のスープ7皿目
<8皿目>
株式投資が世界を、未来を変えているかも/本日のスープ8皿目
<9皿目>
セレンディピティ/本日のスープ9皿目
<10皿目>
利益の源泉は"ありがとう"/本日のスープ10皿目
<11皿目>
研いで出てくるのは塗り重ねたもんだけ/本日のスープ11皿目
<12皿目>
時代遅れの投信業界を目覚めさせたい/本日のスープ12皿目
<13皿目>
わかりにくい仕組みのままハードルを下げた投資信託/本日のスープ13皿目
<14皿目>
個人投資家は「舌」を鍛えよう!/本日のスープ14皿目
<15皿目>
食と投資の共通危機/本日のスープ15皿目
<16皿目>
投資信託の見える価値と見えない価値/本日のスープ16皿目
<17皿目>
いでよ、アイアンシェフ/本日のスープ17皿目
<18皿目>
母のおかげで投資の世界へ/本日のスープ18皿目
<19皿目>
競馬から株式投資へ/本日のスープ19皿目
<20皿目>
学資保険に「ダメだ、こりゃ」と直感したのが、投資を始めたきっかけ/本日のスープ20皿目
<21皿目>
お金の法則/本日のスープ21皿目
<22皿目>
身近な投資ツール/本日のスープ 22皿目
<23皿目>
投資信託が投資のイメージを変えなきゃ!/本日のスープ23皿目
<24皿目>
時価が変わる世界に慣れるには?/本日のスープ24皿目
<25皿目>
信じるものに救われる/本日のスープ 25皿目
<26皿目>
時価のある世界にすぐに慣れた理由/本日のスープ26皿目
<27皿目>
和敬清寂/本日のスープ27皿目
<28皿目>
ファンドマネージャーの行動を評価したい/本日のスープ28皿目
<29皿目>
価値観を語り、運用方針の大枠を説明し、それが実践されたかどうかをレビュー出来る、そんなファンド(マネジャー)を希求するのには理由があります。/本日のスープ29皿目
<30皿目>
小型株に投資してこそプロの日本人だ/本日のスープ30皿目
<31皿目>
「長期投資」を謳うならぜひやって欲しいこと/本日のスープ31皿目
<32皿目>
ファンドを通じた投資家と企業のいい関係/本日のスープ32皿目
<33皿目>
小さな企業の成長を妨げるもの/本日のスープ33皿目
<34皿目>
投信会社の協調ってどう?/本日のスープ 34皿目
<35皿目>
「ふるさと投資」で投資のイメージが変わる!/本日のスープ 35皿目
<36皿目>
「間」に「場」があれば、世界は動きだす!/本日のスープ36皿目
<37皿目>
「伝える」ことはすごく大事。でも、その先にもっと大事なことがある。/本日のスープ 37皿目
<38皿目>
投信会社のお客様は誰?/本日のスープ38皿目
<39皿目>
アクティブファンドと恋がしたい!/本日のスープ39皿目
<40皿目>
投信業界に巣食う「神」/本日のスープ40皿目
<41皿目>
旗艦ファンドを大切に/本日のスープ 41皿目
<42皿目>
運用会社自身が投資不適格の自己矛盾/本日のスープ42皿目
<43皿目>
「誠実な説明」もできないのに、「目的を持った対話」なんて本当にできるのかしら。/本日のスープ43皿目
<44皿目>
貯蓄文化と投資文化/本日のスープ44皿目
<45皿目>
長い歴史を持つ、日本の投資文化/本日のスープ45皿目
<46皿目>
株式投資を「誇らしく」感じられますか? / 本日のスープ46皿目
<47皿目>
消費者以上、従業員未満の関係/本日のスープ47皿目
<48皿目>
江戸時代のカセギとツトメ/本日のスープ48皿目
<49皿目>
死ぬまで株式投資家でありたい/本日のスープ49皿目
<50皿目>
プチ旦那さんになりたい/本日のスープ 50皿目
ぜひご賞味ください。