<本日のスープ〜株式投資をめぐる三重奏〜>です。
48皿目を担当するのは ”投資を楽しむ♪”のまろさんです。
「千夜千冊」を連載している松岡正剛氏が、CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)について語るときには、決まって江戸時代の「カセギ」と「ツトメ」を例に出してくる。まずはその概要を簡単に紹介すると。
江戸時代には「カセギ」がいいからといって一人前とはみなされなかった。村落共同体で自然災害に遭ったり、伝染病がはやったり、はたまたお祭りがあったりしたときに、一肌脱いで「ツトメ」を果たして初めて一人前とみなされた。
でも今日、社会人として「カセギ」を得ること、「ツトメ」を果たすことは、1人1人のなかで必ずしも両立していない。たとえば「おツトメはどちらですか?」と尋ねられると、まずは給料をもらっている会社の名前をあげるが、これでは「カセギ」の話とゴッチャになってしまっている。かつては誰もが持っていた「ツトメ」は、営業目標を達成することや、コンプライアンスなどに包み込まれて形を失ってしまった。
松岡氏は企業が真のCSRに乗り出すためには、まずは資本主義発展の過程で分断された「カセギ」と「ツトメ」を、すべての社員の中でもう一度、両立させることが重要と説いている。
さてここでm@さんの47皿目の末尾を引用すると、
「投資にはいかに効率よく儲けるかが追求される面もありますが、モノやサービスのストーリーに着目して投資してみると、消費者として応援するのとはまた違った世界が見えてきます。消費者以上、従業員未満の関係というのはたくさんのお金は集まらないかもしれないけれども、投資家の広い裾野を作ることができるのではないでしょうか。」
消費者以上、従業員未満の関係としての投資家であれば、「カセギ」と「ツトメ」が両立ができるのではないだろうか? クラウドファンディングにはこんな観点からも注目してみたい。
これまでの47皿です。
<1皿目>
「本日のスープ(仮)」はじまるよ!
「投資をめぐる三重奏(仮)」はじまるよ!
「マットーネ :mattone(仮)」はじまるよ!
<2皿目>
「本日のスープ〜株式投資をめぐる三重奏〜」でいかがですか?
<3皿目>
おいしさ=味×心/本日のスープ3皿目
<4皿目>
株を持つという事は自分が関係者になること/本日のスープ4皿目
<5皿目>
「株式投資」:「安く買って高く売る」こと?それだけ? /本日のスープ5皿目
<6皿目>
投資と資産運用の素因数分解/本日のスープ6皿目
<7皿目>
株式投資はじめてものがたり/本日のスープ7皿目
<8皿目>
株式投資が世界を、未来を変えているかも/本日のスープ8皿目
<9皿目>
セレンディピティ/本日のスープ9皿目
<10皿目>
利益の源泉は"ありがとう"/本日のスープ10皿目
<11皿目>
研いで出てくるのは塗り重ねたもんだけ/本日のスープ11皿目
<12皿目>
時代遅れの投信業界を目覚めさせたい/本日のスープ12皿目
<13皿目>
わかりにくい仕組みのままハードルを下げた投資信託/本日のスープ13皿目
<14皿目>
個人投資家は「舌」を鍛えよう!/本日のスープ14皿目
<15皿目>
食と投資の共通危機/本日のスープ15皿目
<16皿目>
投資信託の見える価値と見えない価値/本日のスープ16皿目
<17皿目>
いでよ、アイアンシェフ/本日のスープ17皿目
<18皿目>
母のおかげで投資の世界へ/本日のスープ18皿目
<19皿目>
競馬から株式投資へ/本日のスープ19皿目
<20皿目>
学資保険に「ダメだ、こりゃ」と直感したのが、投資を始めたきっかけ/本日のスープ20皿目
<21皿目>
お金の法則/本日のスープ21皿目
<22皿目>
身近な投資ツール/本日のスープ 22皿目
<23皿目>
投資信託が投資のイメージを変えなきゃ!/本日のスープ23皿目
<24皿目>
時価が変わる世界に慣れるには?/本日のスープ24皿目
<25皿目>
信じるものに救われる/本日のスープ 25皿目
<26皿目>
時価のある世界にすぐに慣れた理由/本日のスープ26皿目
<27皿目>
和敬清寂/本日のスープ27皿目
<28皿目>
ファンドマネージャーの行動を評価したい/本日のスープ28皿目
<29皿目>
価値観を語り、運用方針の大枠を説明し、それが実践されたかどうかをレビュー出来る、そんなファンド(マネジャー)を希求するのには理由があります。/本日のスープ29皿目
<30皿目>
小型株に投資してこそプロの日本人だ/本日のスープ30皿目
<31皿目>
「長期投資」を謳うならぜひやって欲しいこと/本日のスープ31皿目
<32皿目>
ファンドを通じた投資家と企業のいい関係/本日のスープ32皿目
<33皿目>
小さな企業の成長を妨げるもの/本日のスープ33皿目
<34皿目>
投信会社の協調ってどう?/本日のスープ 34皿目
<35皿目>
「ふるさと投資」で投資のイメージが変わる!/本日のスープ 35皿目
<36皿目>
「間」に「場」があれば、世界は動きだす!/本日のスープ36皿目
<37皿目>
「伝える」ことはすごく大事。でも、その先にもっと大事なことがある。/本日のスープ 37皿目
<38皿目>
投信会社のお客様は誰?/本日のスープ38皿目
<39皿目>
アクティブファンドと恋がしたい!/本日のスープ39皿目
<40皿目>
投信業界に巣食う「神」/本日のスープ40皿目
<41皿目>
旗艦ファンドを大切に/本日のスープ 41皿目
<42皿目>
運用会社自身が投資不適格の自己矛盾/本日のスープ42皿目
<43皿目>
「誠実な説明」もできないのに、「目的を持った対話」なんて本当にできるのかしら。/本日のスープ43皿目
<44皿目>
貯蓄文化と投資文化/本日のスープ44皿目
<45皿目>
長い歴史を持つ、日本の投資文化/本日のスープ45皿目
<46皿目>
株式投資を「誇らしく」感じられますか? / 本日のスープ46皿目
<47皿目>
消費者以上、従業員未満の関係/本日のスープ47皿目
ぜひご賞味ください。