CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
renny 注目の投信会社
ガンバレ!
MoneyForward、ライフネット生命、FC東京、cakes
アクセスカウンタ etc
この日記のはてなブックマーク数


since Jan. 9 2007



ブログパーツ
mailform
MOBILE
qrcode
<< 会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方 | main | 第74回東京優駿<日本ダービー>展望 >>
日本のベンチャーキャピタルに"Going private"のススメ
久々にベンチャーを取り巻く環境について書いてみたいと思います。
保田隆明さんのお書きになった"日本のベンチャー業界活性化に必要なものとは?"
というエントリがキッカケです。
ボクなりの答えの一つが
ベンチャーキャピタルはさっさと株式上場を取りやめるべき、というものです。

理由は、
1.そもそも論ですが、「ベンチャーキャピタルの株主」と「ベンチャーキャピタルが組成しているファンドの投資家」という利害が一致しない2種類の投資家を抱えることへの疑問。
2.上場しているがゆえに刻一刻変わる株価の"change"に翻弄される存在であるため、ロングスパンでの"Change the World"のような主体性、意思はおよそ期待できないという点。
3.安定的な管理報酬を得るために徒にファンド規模を膨らませ、それにあわせて組織が肥大化。キャピタリストの質の低下が避けられない点。
ベンチャーキャピタルの収入源で最初に思い浮かぶのは、「これ」と見込んだ企業が思惑通りに成長した結果、株式公開(あるいは買収)で得られるキャピタルゲインです。しかし、これは市場環境等でなかなか長期で見通せない類のものです。
一方、これと比較すると安定的な収入源が存在します。それがベンチャーキャピタル各社が組成するファンドからの管理報酬です。これらのファンドは基本的には外部投資家から資金を募っています。
上場ベンチャーキャピタルは、「ベンチャーキャピタル各社の株主」、「ベンチャーキャピタル各社が組成するファンドの投資家」の利害が相反する関係にもなる2種類の投資家を抱えているのです。経営の舵取りは非常に難しいように思います。そもそもベンチャー投資のための資金はファンドへの出資を投資家から募るわけですから、ベンチャーキャピタル自身は基本的に市場から資金を調達するということは無いはずです。
いったい何のために上場しているのでしょう。優秀な人材の確保のため、というのが定説だと思いますが、もっと大きな別の理由があるのかもしれません。あくまでボクの憶測ですが、投資家がファンドへの投資を検討する際のDue Diligenceにおいて「運用を任せるベンチャーキャピタルが上場しているかどうか」を一つの選定基準にしているのではないでしょうか。そうであれば上場している理由は納得できなくもないわけですが、副作用を色々と引き起こしているように思います。。

また、上記の2.で指摘したとおり、「これまでに無い新しい製品・サービスの提供を目指す事業家にリスクマネーを提供することで新たな価値創造を実現すること」がその存在意義の一つであるベンチャーキャピタルが、刻一刻株価が変動するような状況に身を置くべきではないように思います。こうした価値創造は短期間に成し遂げることは極めて困難だからです。

さて、管理報酬はファンドの規模に比例する仕組になっていますので、規模を大きくすれば大きくするほどベンチャーキャピタルの収入は増えます。株主の期待に応えて安定的な収入源を確保するためにドンドン規模を膨らませます。ただ集めた以上資金は投資しなければなりません。投資担当者も必要です。審査体制も拡充しなければなりません。組織は肥大化していきます。ファンドは余りに大きくなってしまうとパフォーマンスにマイナスの影響が出ます。案件獲得のために高い株価でも引き受けてしまったり、ファンド消化のための投資をしてしまったり・・・

米国においては対照的です。一流のベンチャーキャピタルは運用するファンドの規模を自らコントロールします。投資家からのファンドへの応募が募集総額をオーバーした場合、募集総額程度まで受入額を比例配分でカットする、新規投資家は断るなどの対応をします。彼らは自分たちの体制で一度(数年間)に運用できるファンドの規模をよく分かっているのです。ファンドの規模を身の丈以上に大きくしたベンチャーキャピタルの中には運用期間中に投資家に資金を返還することもあるようです。この背景には、米国のベンチャーキャピタルにとって自分たちの運営するファンドの投資家が唯一の投資家であるということがあるのです。米国においてはベンチャーキャピタルの多くが会社形態をLLCにしています。株式会社にしているケースはボクは聞いたことがありません。
ベンチャーキャピタルという事業は不特定多数の投資家から多額の資本を調達して運営するものではない、という何よりの証拠です。

ベンチャーキャピタルとは極めてローカルなビジネスだとボクは思います。シリコンバレーにベンチャーキャピタルが集中しているのは当然のことなのです。ですから、日本には日本のベンチャーキャピタルが必要なのです。その意味でベンチャー投資のプロフェッショナルを育成する必要を痛感します。今の上場ベンチャーキャピタルからそうした人材が出てくる可能性はどの程度あるでしょうか。いずれにせよ、そのプロフェッショナル候補に資金を託す投資家が不可欠です。しかしながら、ボクの憶測通り本当に「運用しているベンチャーキャピタルが上場しているかどうか」という全く無意味な基準を投資家サイドが設けていたりしたらいつまで経ってもそうした状況は生まれてこないでしょう。
投資家の基準は次のようにあるべきなのではないでしょうか。
上場しているベンチャーキャピタルが運営するファンドには資金を投じない。

--------------------------------------------------------
人気ブログランキングに本格的に参加をはじめました。
応援よろしくお願いします。
blogranking 

カブク<br />
ンブログマーケットランキング投票





| ベンチャー企業 | 19:39 | comments(2) | trackbacks(0) | 


コメント
こんにちわrennyさん、Uです。
rennyさんの日本のVCに対する問題提起は、形だの概念を輸入したがる日本の金融界全体の悪弊のせいだと思います。

ベンチャーキャピタルの語源が、彼らが投資銀行のように「金・カネ・$」の世界と一緒にされることを大変嫌っていて、自分達は「アメリカンドリームや未知の技術、夢に投資している」と自負していたため、Adventure(冒険・挑戦)からAdの文字をとり、ベンチャー(Venture)という新しい言葉を作ったところから来ていることから考えると、上場ベンチャーキャピタルにそこまでの矜持があるのかということではないでしょうか?(株式市場のプレッシャーを考えると難しいと思いますが)

後、真の意味でのエンジェル(初期のロックフェラー家やホイットニー家のような資本家)が必要だと思います。日本では彼らのような資本家がいないため非上場のVCが生まれにくいのかもしれませんね

自分のブログでも投資家の観点から書いてみたいと思います。
| Uさん | 2007/05/25 5:44 PM |
Uさん、コメントありがとうございます。
「真の意味のエンジェル」、日本には少ないですね。
税金をガッポリ取って役人がどの分野に投資するか決める、というのが日本のこれまで、でしたからね。
日本の国際競争力を奪っている一つの要因はここにある、と思います。欧米に追い付く努力が国際競争力につながったのは既に遠い過去だと思います。
今や「one&only」を如何に産み出すか、が最も重要な点です。今のシステムは、それを効率的に進めるシステムかどうか、スゴク重要な論点だと思います。
| renny | 2007/05/27 8:31 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック