<本日のスープ〜株式投資をめぐる三重奏〜>です。
102皿目を担当するのは ”投資を楽しむ♪”のまろさんです。
前回の一皿でのm@さんからのお題「アクティブファンドの評価軸」。
まず身も蓋もない言い方になってしまうが、個別株投資の投資家である今の私にとって、「投資リターンを得る」ためだけならば、株式に投資する投資信託は必要ない。現在、日本には6,000本もの公募投資信託が乱立しており、日経平均(225社)とS&P500(500社)から長く投資したい企業を選ぶ方が簡単に感じてしまうから。
ただ株式投資を単なる金儲けの手段として終わらせるのはあまりに惜しい。「株式投資を通じて世の中を学びたい!」という向上心が、投資以外の収入を増やし、人生を豊かにするものだと考えているから。たとえば私が大学卒業後に得た給与収入のほとんどが株式投資をはじめたことに由来するものだ。
「学びがあるか?」という観点からすると、私にとってインデックスファンドは論外。しかしごく一部のアクティブファンドには一考の価値がある。世の中や企業の見方など、自分では気付かなかった視点を与えてくれることで視野が広がるからだ。つまり私にとってアクティブファンドに不可欠な要素として、
「投資先企業をどのような観点で将来有望と判断したのか等の情報開示」
しかしこれ以上に私にとって大切な評価軸がある。現在、私の株式投資額のうち数%を鎌倉投信「結い2101」が占めており、継続的に投資している唯一のアクティブファンド。その訳は2008年春に感銘を受けた本にある。
坂本光司「日本でいちばん大切にしたい会社」
会計情報を中心に投資先企業を選んでいた当時の私は、この本を読んだことで、株主として誇れる会社に投資したいと考えるようになった。しかし今のように統合報告書やESG投資は一般的ではなく、片っ端からCSRレポートや環境報告書を読んでも本業との関連性が分からない記述ばかり。個人投資家としてできることの限界を感じていた。
そんな中、私と同じように坂本光司さんの著書に感銘を受け、創業時に運用方針策定の参考にしたという、アクティブファンドが登場した。それが鎌倉投信「結い2101」。自分がこういう運用をしたい!と思ってもできないことを実現してくれる、すなわち、
「運用哲学に共感できる」
これがなければ私にとって投資信託の存在意義はないと言っても過言ではない。そもそも投資信託は文字通り「信じて託す投資」なのだから。
ちなみに以前も紹介したとおり、私は鎌倉投信が縁で結婚した。28歳の時に経済誌の取材を受けて以降、あからさまにお金目当ての女性に言い寄られることが続き、生涯独身を決め込んでいたのだが…。結婚相手に求めるものが、投資に理解を示して欲しいがお金に目がくらむ人は嫌だ、という面倒なこだわりが成り立つには、鎌倉投信のような場が不可欠だったのかもしれない。
長くなってしまったので最後に話をまとめると、
「投資リターンのみに着目しているうちは、株式投資による真の恩恵は受けられない」
そこから得られる学び等の生かし方次第で、豊かな人生を送ることができる。これは私の人生で実証済みなのでかなり自信がある。つまり「投資を人生にどう生かすか?」という大前提から導き出される「アクティブファンドの評価軸」が、
「運用哲学に共感できる」
「投資先企業をどのような観点で将来有望と判断したのか等の情報開示」
とはいえ個別株投資が主体の投資家の見方なので、少し変わっているかも。次回この道のプロであるrennyさんが書かれる一皿をメインに、今回の私の一皿はデザート程度に楽しんでいただくのがいいと思う。
まろ@投資を楽しむ♪